映画「シン・ゴジラ」今更と思われても語りたいことがある映画

さて、今回紹介する作品は映画「シン・ゴジラ」です。
約12年ぶりになる2016年夏に公開され、一躍ブームとなったゴジラの最新作ですね。
監督がエヴァンゲリオンの庵野秀明さんということもあり、エヴァ信者の自分はかなりの期待を持って映画を見に行ったのですが、その期待を上回る素晴らしい映画でした。
あまりの凄さと怖さにぼろぼろ泣いてしまうほど……。

最近もシン・ゴジラが劇中で現れた時間に合わせ、シン・ゴジラ実況と題してツイッターで一盛り上がりありましたね。
もう散々考察記事が出ていると思うので目新しさはないかもしれませんが、このブログの方針にのっとって解析的視点で考察をしてみたいと思います。

盛り上がり曲線はこんな感じです。
シンゴジラ曲線 
二つ山がありますが、これはミステリー構造ゆえではなく、ゴジラの一回目の襲来と二回目の襲来によるものです。
若干特殊な一般小説曲線の形+ミステリー曲線の微震が合わさったハイブリッド曲線ですね。(偶然にもゴジラの背びれっぽい)
ではあらすじからどうぞ!


※以下ネタバレが含まれます、ご注意ください。


■おおまかなあらすじ
東京湾で一隻の無人のクルーザーが発見される。
そこには一羽の折り鶴と、宮沢賢治の詩集「春と修羅」、そして、

「私は好きにした 君らも好きにしろ」

と書かれた一枚のメモが残されていた。

程なくして、東京湾における水蒸気の噴出、海中トンネルが崩落する事故が発生。
当初は海底火山の噴火という予想をする政府だったが、海中をなんらかの巨大生物が移動しているという情報が入ってくる。
その巨大生物は色々なものを巻き込み、破壊しながら川を遡上し、東京に上陸する。
その姿は、深海に住むサメ「ラブカ」によく似ていた。
上陸後、一時停止した巨大生物はエラから臓器や血液を排出、変態する(第二形態から第三形態へ)。
その後自衛隊の攻撃が始まろうとするが、突如巨大生物は東京湾へと引き返していく。
ほんの数時間の出来事ではあったが、被害は甚大だった。

巨大生物の再来に備えて、内閣官房副長官“矢口蘭堂”を中心とした巨大不明生物特設災害対策本部を設置。様々な部署から個性的な面々が集められる。
調査の結果、巨大生物は海洋投棄された放射性廃棄物に適応・進化した深海生物であり、その生物を研究していた牧悟郎博士によって「ゴジラ」と名づけられていたことが判明した。
しかしその牧博士は行方不明になっており、冒頭で発見されたクルーザーは牧博士のものだったことがわかる。
巨災対は血液凝固剤を経口投与してゴジラを凍結させる「矢口プラン」の準備を開始する。

数日後、再び姿を現したゴジラは、前回襲来時の倍近くまで巨大化(第四形態)していた。
自衛隊の総攻撃も一切効果はなく、政府は米軍に攻撃支援を要請。大型貫通爆弾によりダメージを与えることに成功する。
しかし直後、ゴジラは背びれを発光させ、口から黒煙を吐き出し始める。
黒煙はやがて火炎放射、熱線と性質を変化させ、東京を火の海にした。
その際内閣要人を乗せたヘリも撃ち落とされてしまう。(通称内閣総辞職ビーム)
ゴジラは東京の中心部を破壊しつくすと、力を使い果たしたのか活動を停止した。

矢口がゴジラ対策の特命担当大臣に任命される中、国連安保理によってゴジラへの核攻撃が決議される。
しかし矢口は「諦めず、最後までこの国を見捨てずにやろう」と、矢口プランによるゴジラの無力化を推し進める。
巨災対は博士の残した折り紙式のデータを解読し、急ピッチで対ゴジラ用の薬品の製造を企業に依頼した。

核攻撃が迫る中、矢口プランは“ヤシオリ作戦”と名前を変え、実行される。
活動を再開したゴジラに対し、無人機を使った攻撃を行い、再びエネルギー切れを狙う。
さらにゴジラ付近のビルを爆破し転倒させ、ポンプ車両による血液凝固剤の経口投与を開始。
ゴジラの反撃による犠牲が出てしまうが、それでも作戦は続行される。
無人在来線爆弾による攻撃で再びゴジラを転倒させ、第二陣による経口投与を開始。
再びゴジラが起き上がり、作戦失敗かと思われたが、ゴジラはその姿のまま完全凍結された。

核攻撃の危機は一時去ったが、ゴジラが活動を再開した際には一時間足らずで核攻撃を行うという条件が付けられた。

凍り付いたゴジラの尻尾には、無数の謎の人型生物が形を成していた。

■感想と考察
今作一番の疑問は、こう言っては失礼なのですが「なぜここまでヒットしたのか」という点にあります。
昨今のヒット作には「あまり深く考えずに見れて癒される」や「物語は単純で王道だがとにかく派手な映像で楽しい」という要素が多く見受けられますよね。
しかしこの「シン・ゴジラ」の物語はとにかく重く現実的で、映像は派手だが楽しいかと問われるとなんか違う、流行とは少しズレたところにあるものです。
にも関わらず、2016年12月時点で興行収入は80億円を突破。
「ゴジラ」というブランドの強さもあるとは思いますが、なぜここまで評価されたのでしょうか?

1.流行には逆行するものの、しっかり需要のある要素が散りばめられている
物語の構造としては、冒頭に重要な伏線を置く手法が使われていますね。
しかもその伏線のセンスが抜群で「私は好きにした 君らも好きにしろ」という言葉が、物語が明かされていくにつれてじわじわと効いてきます。

今作は最近流行りの(?)早口でのやりとりが非常に多いのですが、これは特撮の技名を叫び合うシーンと同じようなもので、意味がわからなくてもなんとなくかっこよく見えるという効果があるそうです。
随所でエヴァ的演出も散りばめられており、ファンサービスも凄かったですね。(エヴァを知らない人にはわからないかもしれないですが)

さらに矢口と、巨災対のメンバーを集めた泉の関係性も話題になっています。(BL的な意味で)
インタビューによるとこれは意識しての演出だったんだそうです。
外にも豪華キャスト陣による個性的なキャラクターが多数配置されており、二次創作も賑わっているとか。
庵野監督はエヴァのイメージから「変わった作品を作る人」と思われがちですが、当時からかなり理詰めで作品を作っており、こうした需要を捉えるのが本当に上手い人なのです。
(余談ですが、エヴァのアスカと綾波も「赤、強気、ロングヘア」と「青、物静か、ショートヘア」という対照的なヒロインを出すことで、幅広く受けを狙ったそうです。ファンをアスカ派と綾波派に分けて対立させることで、話題を生む効果もあったと思います)

そして何より重要だったのは、日本人の心情に深く寄り添った作品だったことでしょう。
今作を見て、東日本大震災を思い出した方も多かったはずです。
現実では疑問の残る政府の対応や企業の隠蔽工作などもあり、権力に対する不信感が強まってしまいましたが、この映画にはかっこいい政治家やそれに協力する企業が描かれています。
平泉成さん演じるあまりやり手とは思えない臨時総理が、核攻撃を止めるためにフランスと交渉し、頭を下げるシーンなんかも日本人ならグッときますよね。
日本人が「こうあってほしい」と思っている日本の姿を体現しているわけです。
ゴジラに対して団結して挑んでいく流れに、あらすじを書いているだけでちょっとうるっとしてしまうほどでした。(沢山の人が団結するシーンに弱い志室)

2.すべてを語らず、謎を残す
もう一つシン・ゴジラのヒットに関わってくる重要な要素が、庵野さんの十八番でもある“謎を残す”という手法です。
今作には、きちんとした説明がなされないままうやむやになった情報がいくつかあります。
牧博士は一体どう「好きにした」のか。
なぜゴジラは繰り返し東京を襲ったのか。
ラストシーンで意味深に映された、ゴジラの尻尾にある人型の生物はなんなのか。
どれも非常に魅力的な謎で、掲示板やツイッターでの議論やブログでの考察も大変盛り上がったと思います。
この謎に関する情報を確かめるため、沢山のリピーターを獲得できたのも大きな要因だったでしょう。

ちなみに自分は、「博士はゴジラに取り込まれた」「博士の意思により東京を襲った」「最後の人型は博士の遺伝子によるもの」という博士がゴジラになったor取り込まれた説を支持しています。
様々な考察サイトでその理由が議論されていますが、自分にはそう思う決定的な理由があります。

それは、ゴジラは人が動かしているという点です。

ゴジラは特撮映画ですから、歴代作品のほとんどが着ぐるみに人が入って動かしています。
今作ではゴジラをCGで作っていますが、動きは野村萬斎さんがモーションキャプチャーを使ってつけていますね。
あくまでも中に人が入っていることにこだわっていることから、作品にもその要素を反映している可能性は充分にあると思うのです。
このことが言いたくて今更ですが記事を書きました( ˘ω˘)

■まとめ
本作はエンターテイメント映画であると同時に「もし本当にゴジラが襲来したら」というテーマのドキュメンタリー映画でもあったと思います。
冒頭の海底トンネル崩落事故シーンや水蒸気噴出シーンにおける一般市民の反応も非常にリアルでしたし、政府の動きも非常に緻密に描かれており、災害が発生した際の緊張感がこれでもかと表現されていました。
最後には伏線も残されたことですし、次回作を期待してもいいのでしょうか……。
(アニメ映画化するとの情報はありますが、できれば実写でやってほしい)

なにはともあれ、シン・ゴジラをきっかけに日本の映画産業が盛り上がってくれると嬉しいですね。
今年の映画産業に多大な貢献をしたもう一つの作品、「君の名は。」についても記事にしようと思っています!(映画は見れていないので小説のですが)
そちらの記事もよろしくお願いします!

大変長くなりましたが、最後まで読んでくれた方はありがとうございました!
それでは今日はこの辺で! サラダバー!

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志室幸太郎

Author:志室幸太郎
あの名作からなんてことないニュースまで、ストーリー性のあるものを構造解析していきます。
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