映画「ベイマックス」新時代のエンターテイメントの模範的脚本

本日紹介する作品は映画「ベイマックス」です!
金曜ロードショーでやっていたのでなんとなく見ていたのですが、いや凄いですね。
娯楽映画として一部の隙もないレベルのパーフェクトな脚本だと自分は思いました。

盛り上がり曲線はこうです。
ベイマックス曲線 
よくある右肩上がりな曲線ではあるのですが、この映画は盛り上がり曲線だけで判断することはできません。
あらすじを踏まえて、順を追って語ってみます。

※以下ネタバレにご注意ください。


■あらすじ
天才的な科学の才能を持った少年ヒロ・ハマダは、兄であるタダシに連れられて大学へ行く。
ヒロは大学で、タダシの仲間たちの発明や、タダシが発明したケアロボット“ベイマックス”を目にする。
ベイマックスは様々な医療機能を搭載しており、人の傷や痛みをスキャンして治療することができる。
「ベイマックス、もう大丈夫だよ」と言うまで対象から離れることができない。

様々な発明に刺激された上、尊敬する科学者キャラハン教授とも出会い、ヒロは飛び級で大学進学を決意した。
キャラハン教授に認めてもらうため、タダシは“マイクロボット”という群れで自由自在に行動させることができるロボットを開発し、発表。大絶賛され、キャラハン教授に大学進学の許可を貰う。

しかしその発表後、会場で火災が発生。
教授を助けに行ったタダシも巻き込まれ、命を落とすことに。

失意のヒロだったが、不意にベイマックスを起動させる。
ベイマックスは傷ついたヒロを治療するため、マイクロボットの反応を頼りに街を探索し始めてしまう。
それを追ったヒロが見つけたのは、火事でほとんどが消失したはずの“マイクロボット”を大量生産している工場だった。
そこでヒロはそのマイクロボットたちを操る仮面の男に襲われるも、辛くもその場を脱する。

ヒロは研究発表会での火災を“マイクロボットを狙った作為的なもの”だと考え、ベイマックスを強化して仮面の男を倒そうとする。
タダシの大学の仲間たちを集めて、ベイマックスのセンサーで見つけた孤島の研究施設へと乗り込む。
しかし研究施設はもぬけの殻だった。
残された映像からわかったのは、実業家クレイがテレポーテーションの実験をしており、失敗したこと。そしてその際に、研究員の一人が行方不明になってしまっていたということだった。
そこに現れる仮面の男。
ベイマックスとヒロの活躍によって、仮面の男の正体が死んだと思われていたキャラハン教授だったということが発覚する。
テレポーテーションの実験で行方不明になっていたのはキャラハン教授の娘であり、教授はクレイへの復讐のためにマイクロボットを使っていたのだった。
さらに火災は本当にただの火災で、キャラハン教授はマイクロボットを使って生き残っており、助けに行ったタダシの行動は「余計なこと」だと言われ激昂するヒロ。
キャラハン教授を殺そうとベイマックスを暴走させるが、仲間たちによって止められた。

ヒロは一人ラボへと戻り、故障したベイマックスを修理しようとする。
その際に、ベイマックスの記憶領域に残っていたタダシの映像が再生され、ベイマックスが「人の役に立ってほしい」というタダシの強い思いから生まれたことを知り、心を改めた。

クレイへの復讐のため、大学を襲うキャラハン教授。
テレポーターを大学の上空で起動させ、大学ごと異次元へと放り込もうとする。
そこに、ヒロやベイマックスたちが駆けつける。
最初の戦闘では役に立たなかった仲間たちも、ヒロのアドバイスで大活躍。
辛くもキャラハン教授に勝利した。

しかしベイマックスが、「テレポーターの中に生命反応がある」と言い出し、ヒロとベイマックスはキャラハン教授の娘の救出へ向かう。
ポッドを発見し出口を目指す二人だったが、巨大な瓦礫が飛来し、ベイマックスが盾になる。
その時の衝撃で、ベイマックスのブースターが壊れてしまう。
ベイマックスはヒロとポッドを元の世界へ返すため、ロケットパンチを使うことを提案。
それではベイマックスが戻れないと涙するヒロだったが、最終的に「ベイマックス、もう大丈夫だよ」と言ってヒロとポッドのみが元の世界へと押し戻された。

後日。ヒロはロケットパンチに使われたベイマックスの手の中に、メモリーが残されていたことに気づく。

■構造解析
うろ覚えなのであらすじの時系列が前後していたらすいません!
しかしこの映画、文字で見ただけでは絶対にもったいないです。
日本とはまったく違う方向性で進化を遂げたディズニー映画ですが、やはりその進化の頂点にある映像美は素晴らしかった。
特にヒロがベイマックスに乗って飛び回るシーンの背景は実写以上とも言うべき美しさでした。
と、映像に対する賛辞はここまでにして、ストーリーのどこがポイントなのかを確認します。

1.容赦なく主人公に悲劇を与える

これは創作論では常々言われていることなのですが、主人公をいじめることは非常に大事です。
なぜなら主人公を一度落とさなければ、盛り上がり曲線は大きく上昇しないからですね。
今作では兄の死というかなりきつい悲劇がありますが、そこからの主人公の成長ぶりは見た人ならおわかりでしょう。

2.非常に論理的な主人公

この手の話によくある展開として、
兄の死→落ち込む主人公→ベイマックスのフォロー→「ほっといてくれよ!」→仲直り
みたいなのありますよね?
しかしこの主人公、ベイマックスがしつこく医療行為をしようとしても、優しくいなせるのです。
上のような展開はありがちすぎて、最早時代遅れなのかもしれませんね。
そんな主人公も終盤では怒りを露にしますが、そのシーンが際立って見える効果もあったでしょう。

3.キャラハン教授がボスというミステリー的驚き

見た人ならわかると思いますが、「ボスはクレイだろう」と思っちゃいますよね。
自分はミステリー好きですがアホなので、仮面の男の予想クイズに「ハハッ、なんてサービス問題」と思ってすらいました\(^o^)/
なんとか途中で「待てよ?」と思えましたが、あれはもっとアホだった子供の時に見たら見事にひっかかったでしょうね……。
やはりミステリー要素は面白いものです!

4.冒頭の台詞の使い方と、心に傷を残さないベイマックス設計

「ベイマックス、もう大丈夫だよ」の使い方は王道でしたが感動的でしたね。
ただそれだけで終わらないのがこの映画の「お客さんのことを考えまくっている」点でしょう。
ベイマックスはちゃんと復活するのです。
お客さんの心に傷を残さない、まさにベイマックス設計な映画でしたね。
家族で安心して見られる、非常に金曜ロードショー向けな作品だと思いました。

■まとめ
ディズニーやハリウッドなど、アメリカ発の映画はとにかく物語に安定感があります。
なぜかと言うと、おそらく様々な人種の人がアメリカにはいるからなんですね。
文化も宗教も様々なアメリカという国でヒット作を生むには、本当の意味で万人受けを目指さなければいけません。
そのため脚本に非常に力が入っており、アメリカの外に出てもヒットするのでしょう。

自分も小説を書いていて思うのですが、必然性というのは非常に大事です。
重要なのはいかにそれが物語ということを意識させないこと、つまり自然な流れを作ることなんでしょうね。
それができて初めて、お客さんが物語に没入できる“プロの仕事”と呼べるものになるのでしょう。
本当に勉強になります(活かせるとは言っていない)。

1月は金曜ロードショーでジブリ祭りらしいので、こちらも解析したいと思います!
それではサラダバー!

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志室幸太郎

Author:志室幸太郎
あの名作からなんてことないニュースまで、ストーリー性のあるものを構造解析していきます。
創作ライフのお役に立てれば幸いです。

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