映画「BLAME!」感想と考察 弐瓶勉氏はどこまで未来を見ているのか



先日5月20日に公開となった映画「BLAME!」の記事です!
新宿ピカデリーまで見に行ってきたのですが、公開間もなかったこともあってか平日の昼だったにも関わらずほぼ満員。
結構マニアックなSF作品なので、お客さんは大半が年齢層高めの男性でしたが、若いカップルなどもいて結構幅広い方に愛されているんだなぁと思いました。

で、ずばりこの映画がどうだったかと言うと……。

面白かったです!

原作未読の上、前情報ほぼまったくなしの状態で見に行ったのですが、かなり特異な設定を持つSF作品であるにも関わらず2時間弱の映画として非常にすっきりまとめられていました。
映画を見終わったあと、うしろにいたカップルも「上手くまとめてたね」「原作を読んでいたら逆にわからなくなる」みたいなことを言っていましたね。

それではまずはあらすじです!
(今回考察っぽいことはあまりしていないので、映画を見た人向けのおさらい記事としてご覧ください!)


※以下ネタバレが含まれます、ご注意ください!


■あらすじ
はるか未来。人類は、進化し増殖した都市によって駆除される存在になっていた。
電基漁師である少女づるは、食料である“どろどろ”を調達するため、仲間たちと共に階層都市を探索していた。
大人たちには止められていたものの、勝手に装備を持ち出して村の外に出たづるたち。
村の食料が尽きかけており、このままでは数か月もしないうちに全員が餓死してしまうがゆえの決断だった。
都市の監視塔に見つからないよう慎重に進んでいく一同。
なんとかどろどろが流れていた管を見つけるが、すでに枯れ果ててしまっていた。
その時、づるたちは監視塔に見つかってしまう。
監視塔が放った雷から生まれたのは、都市を守るセーフガードのうち“駆除系”と呼ばれるロボットだった。
づるたちは銛を放つライフルで応戦するが、駆除系の人知を超えた機動力に圧倒され、仲間たちが次々と殺されていく。
づるも複数の駆除系に追い詰められるが、その時、突如黒い服の青年が現れた。
青年はゆっくりと手に持った銃のようなものを向ける。
づるが隙間に飛び込むと同時に、青年は引き金を引いた。
放たれた極大の光線は、駆除系の硬い装甲を削り取り、大きな爆発を起こした。
づるの「あなたは何者」という問いに対し、青年は霧亥(キリイ)と名乗る。
霧亥の持つ装置によって、監視塔はづるたちを検知しなくなっていた。
これにより霧亥の「目が見たい」という要望に応え、づるたちはヘルメットを外す。
霧亥はづるたちの目をスキャンした上で、「ネット端末遺伝子を持つ人間はいないか」と尋ねた。
づるたちはその単語すら聞いたことがなかったが、「大人たちなら知っているかも」と村に来ることを提案する。

霧亥を村に連れ帰ってきたづるたち。
村には結界というものがあり、セーフガードは村には入れないと語るづる。
人間そっくりのセーフガードもいることから、当初は霧亥を疑っていた村の人々。
しかし霧亥が食料を提供したことで、その疑いは晴れた。
霧亥はおやっさんにネット端末遺伝子のことを話す。
その遺伝子があれば都市に接続することができ、人類によって都市をコントロールできるようになるという。
村の若頭である捨造はその話に懐疑的だったが、おやっさんはネット端末遺伝子のことを以前聞いていたことを思い出した。
おやっさんから村の下にある腐れ祠の話を聞き、すぐに向かう霧亥。づるたちもそのあとを追った。
“腐れ祠には幽霊がいる”という噂があり、実際そこには奇妙なホログラムが。
尻込みするづるたちを他所に霧亥は進んでいき、瓦礫の下から一体のロボットを見つけ出す。
力技で正常に起動させると、胴体と頭しかないそのロボットが喋り出した。
ロボットは「科学者のシボ」と名乗り、その場にあったソケットを使って実験をするために塗布防電=結界を張り、偽装端末を使って都市にアクセスを試みたことを語る。
結果それは失敗に終わったが、その際の反省を活かせば都市にアクセスすることが可能だという。
偽装端末を作り出すため、自動工場へ向かうことを提案するシボ。
自動工場では食料すらいくらでも作ることができるのだという。
村の食糧難をなんとかするためにも、村の電基漁師は一縷の望みをかけて自動工場へと同行することを決めた。

霧亥とシボのおかげで監視塔に発見されることなく、自動工場に辿り着くことに成功する。
早速シボが工場の設備を使い、大量の食料を確保。その後偽装端末もすぐに作成する。
だが、シボが工場の設備を使ったことによって駆除系が発生。
霧亥が偽装端末を持ち、づるたちは迎撃しながら後退する。その最中、シボは駆除系によって破壊されてしまった。
駆除系の猛攻に、次々とやられていく仲間たち。
づるは離れ離れになってしまった友人のタエを心配するが、タエと一緒に行動していた仲間から「駆除系に潰されちまった」という話を聞き、単独でタエのいる方へ向かう。
すると、タエは腕を折られてはいたが無事だった。

合流した後、さらに後退を続ける一同。しかし銛の残りも少なくなり、絶体絶命の危機に。
しかしその時、突然光線が走ったかと思うと、その光の線で駆除系が止まった。
「助けに来たわよ」と現れたのは、破壊されたかに思われたシボだった。
シボは自動工場の設備を使い、新たに作った義体に乗り移っていた。
駆除系が立ち往生している間に、輸送車両に乗り込む一同。シボが急いで動作させ出発するが、何体かの駆除系が車両に取りついてしまっていた。
銛を打ち込み応戦するも、駆除系の数は思ったより多い。
その時、それまで戦いに参加していなかった霧亥が、首になにかを打ち込む。
そして霧亥の持つ銃、重力子放射線射出装置の引き金を引いた。
その圧倒的な破壊力で、駆除系を薙ぎ払う霧亥。しかし霧亥は、それによってエネルギーを使い果たし、休眠状態へ入ってしまった。

なんとか村へ帰ってきたづるたち。
大量の食料を確保できたことから、長らくできていなかった死者を弔う宴を行う。
一方シボは充電が済んだ霧亥を起こし、都市にアクセスする実験を行うため腐れ祠へ向かった。
しかしその時、突如放たれた銛が塗布防電装置を破壊する。これにより、監視塔に村を発見されてしまう。
塗布防電装置を破壊したのは、づるの友人であるタエ――正確には、タエの姿をしたセーフガードだった。
上位セーフガードであるサナカンは、タエの情報を丸々コピーした上で、すでにタエを殺害していた。
シボは急いで都市へのアクセスを開始していたが、サナカンに発見され、義体は攻撃を受けてしまう。

サナカンは村人たちを違法居住者として処理し始める。その圧倒的な火力に、成す術はなかった。
さらに監視塔により大量の駆除系が発生、村を襲い始める。
霧亥は重量子放射線射出装置で監視塔を破壊した後、サナカンを止めるために攻撃をしかけた。
激闘の末、霧亥は片腕を落とされた上、下層へと落下してしまう。
サナカンに追い詰められ、もうダメかと思われたその時。
づるが霧亥の重力子放射線射出装置を投げ渡し、三倍のエネルギーで放った重力子放射線により、サナカンの撃破に成功する。

生存者たちが集まり、治療を施していると、やられたと思われたシボが腕だけになって登場。
「私の脳は腕にあるのよ」とのこと。
シボはシステムと交渉し、都市の監視が及ばない区画を発見。一同はそこへ移住することに。

昇降機でその区画へ下りようとした時、巨大なセーフガードが出現。
霧亥は監視塔の監視をかいくぐれる装置(?)をづるに渡し、「ネット端末遺伝子を持つ人間を探す」と言ってその場に残ったのだった。

づるたちは安全な場所へ移住し、子孫を繁栄させた。
づるの孫は霧亥の話を聞かされて育ち、霧亥が今もどこかでネット端末遺伝子を持つ人間を探していることを期待して生きていく。


■構造解析
この映画、色々な意味で本当に映画館に見に行くべきです!
頑張ってあらすじに起こしてみましたが、これは文字に起こすと逆にわかりづらいかもしれないです。絶対に映像で見た方がいいですよ。
他にも理由はいくつかあります。

1.とにかく音響が凄い

この映画の凄さは音響にあります。音響と一口に言っても色々あるんです。
まずは声優さんの豪華さですよね。シドニアの騎士でもおなじみの弐瓶勉ファミリー(櫻井孝宏さん、洲崎綾さん、佐倉綾音さん)や、売れっ子声優雨宮天さんや宮野真守さんなどなど、アニメファンなら一度は声を聞いたことがあるであろうキャストがいっぱいです。
冒頭キャラの顔が見えず、声だけで判断しなければいけないのですが、声優ファンなら2倍楽しめると思います。
そして特筆すべきが音楽やサウンドエフェクトですよ!
自分はフィリップ・K・ディック原作の映画のような“情緒のあるSF”が大好きなのですが、今作も音楽が良い仕事をしていて、近いものを感じました。
で、本題はサウンドエフェクトです。音がすんごいんですわこれが。
冒頭の駆除系との戦闘では、駆除系の発する「キィィイ」っていう耳障りな音や、重力子放射線射出装置の腹に響く低音など、劇場の音響設備でなければ体感できない素晴らしい音作りでした。(ちなみにシドニアも音響凄いですよね)
立川では爆音上演をやっているらしいんですけど、耳が壊れちゃわないか心配なほどです……。

2.弐瓶勉作品でしか見られない世界

弐瓶勉さんの作品と言えば、その独特な世界観が大きな魅力の一つですよね。
今作も“都市が勝手に増殖を始め、人間か駆除される存在となった世界”という「なにを食べて育ったらこんなことが思いつけるんだ?」と問いたくなるほどの独創的な設定が使われています。
それだけならまだしも、その独特な世界観をアニメーションで表現しきっているのが凄い。
づるたちが都市を進んでいく際にも、巨大なロボットが突然建築をし始めたり、超広大な空間があったりと、印象的なシーンが沢山ありました。
Netflix等でも見られるみたいなんですが、劇場の巨大なスクリーンで見た時の没入感は味わえないと思います……。

3.魅力的なキャラクターたち

そしてなんと言っても、キャラクターがみんな魅力的なこと。
霧亥の登場シーンはめちゃくちゃかっこ良かったですし、シボの絶対なんとかしてくれる安心感や、サナカン(CV早見沙織さん)の無慈悲な殲滅シーンなど、本当に必見ですよ。
どのキャラも本当に魅力的だったのですが、やっぱり個人的に一番好きなのは霧亥です。
今作も弐瓶さんらしく、一番知りたいところは教えてくれないんですよね。
霧亥は果たしてどこでどうやって生まれ、あのあとどうなったのか……。
個人的には映画第二弾とかやってくれても全然いいんですよってくらい気になってます!


■まとめ
総合的に見て、非常に優れたSF映画だと思いました!
普段SFに親しみのない方でも、見れば「おっ」と思うのではないでしょうか。
話も一か所トリックがあるだけで、独特な世界観を除けばかなりシンプルですしね。

後ろにいたカップル曰く「映画から入った人は漫画読まない方がいいかも」とのことですが、そう言われると読みたくなっちゃいますよね!
そのうち大人買いして読んでみようと思います!

というわけで、久々の映画記事でしたー! サラダバー!

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